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北海道大学大学院理学研究院植物標本庫(SAP)

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沿革・概要

Prof. Y. Yamada, the founder of SAP
北大理学部植物分類学教室
初代教授 山田幸男 (1900-1975)

 SAPは理学部創設の翌1931年に理学部1階(現総合博物館の北大歴史展示が行なわれている展示室の一部)に設立された(床面積144m2)。収集標本の増加とともに、一部を中二階構造とした。1999年に総合博物館の改修に伴い移転した時点では、木製標本棚120個に多数の標本を収納していたが、適当な建物が無く、特に貴重であるタイプ標本と岡村金太郎コレクションを総合博物館に収蔵した以外は、プレハブや旧廃液処理センター倉庫等に分散して仮収蔵され、標本の劣化が危惧された。この状態が数年間続いた後、2004年に農学部所蔵植物標本を総合博物館に移転した際、菌類藻類標本庫(SAPA)のうちの全ての海藻標本(宮部金吾のコンブ類タイプ標本等を含む)とともに、SAPのさく葉標本は総合博物館3階未改修部分の一部(床面積116m2)にようやく仮収蔵され、理学研究科と総合博物館の共同管理となり、現在に至っている。(なお、いまだに液浸標本は箱詰めのまま旧看護婦宿舎に仮置きの状態が続いており、関係者は当局の理解を切望している。)

 当標本庫は、理学部旧植物分類学講座の関係者が研究対象にしてきた海藻標本を主に所蔵している。日本列島のみならず、北はアリューシャン列島、南はミクロネシア、マレーシアに至る北太平洋西岸に生育する種の他に、インド洋や大西洋等の外国産標本も含む12万点を超えるさく葉標本ならびに約2万点の液浸標本が所蔵されている。当標本庫はSAPとして国際的に登録された略号を持ち(公的な世界の植物標本庫インデックスの最新版 Index Herbariorum, Part I : The Herbaria of the World, Eigth Edition, 1990, p.203)、下記の海藻標本を所蔵している。

 SAPは日本の研究者によって発表された日本固有海藻種のほとんどすべてのタイプ標本を含んでいることと、海藻標本の保有総数において世界的な標本庫である。



特徴

  1. タイプ標本
    the type specimen of Champia bifida Okam.
    ヒラワツナギソウのタイプ標本
     1931年から現在に至るまでに関係者によって発表された種や種内分類群の原記載に使用したタイプ標本約350点(国内外から寄贈を受けたタイプ標本も含む)を所蔵している。

  2. 岡村金太郎コレクション
     日本の海藻研究の基礎を築いた岡村金太郎博士自身の1890-1935年の採集標本をすべて所蔵している。「日本藻類図譜(1907‐1935)」等で記載された種や種内分類群のタイプ標本(151点)をはじめ、岡村博士の論文のもとになったさく葉標本(総数約15,000点)が含まれる。
     岡村コレクションは岡村博士の没後、次女の静氏が整理をされ、岡村博士の弟子にあたる山田幸男教授が譲り受けて保管していたものである。岡村博士の遺産のうち、山田幸男は標本を希望し、一方、水産講習所は文献を受け取り、岡村文庫として管理したのである。山田幸男の没後、岡村コレクションは黒木宗尚教授が山田真弓教授から植物分類学教室に寄贈を受け、SAPの正式なコレクションの一つとして扱われることとなり、現在に至っている。

    * 岡村金太郎は水産講習所教授、所長であった。水産講習所は後に東京水産大学となり、東京商船大学と統合され現在は東京海洋大学。

  3. 遠藤吉三郎コレクション
     岡村金太郎、宮部金吾らとほぼ同時代に活躍し「海産植物学(1911)」等を著した、遠藤吉三郎博士の標本コレクション。吉田忠生教授が重要なものを選別し、東京大学植物標本庫(TI)より借り出したものである。TIでは海藻類の研究をおこなっていないため、SAPへの永久貸与扱いとすることが認められた。

  4. 日本国内コレクション
     1930年以来日本各地から収集されたタイプ標本以外の標本で、ナンバリングされたさく葉標本総数約100,000点、ナンバリングされていない標本(交換用・公開用、あるいは未整理標本を含む)約20,000点を所蔵している。論文のもとになった標本が多数含まれている。利用頻度が最も高い標本で、常時研究に使用されており、内外の研究者によって論文に引用されるものが多い。地理的分布の把握にも欠かせない。学部の講義、実習にも活用されており、公開用標本については展示も可能である。

  5. 外国コレクション
     山田幸男が1930-60年にわたって採集した旧南洋諸島、北アメリカ、ヨーロッパ沿岸産さく葉標本および交換によって得た世界各地のさく葉標本、黒木宗尚が1976年に北アメリカで採集したさく葉標本、吉田忠生が1973年にフランス滞在中に作製した大西洋産さく葉標本、増田道夫が1992-99年にかけて東南アジアの学術調査で採集したさく葉標本および液浸標本などが含まれている。総数約10,000点。

  6. 標本集
     まとまった形の標本集(エキシカータ)として、以下のものを所蔵している
    *国立科学博物館発行の海藻類標本集は1枚毎にSAP登録番号を付し、上記「日本国内コレクション」中に登録



SAP標本データベース作製スタッフ
標本データ電子化:吉田忠生・増田道夫・小亀一弘・阿部剛史・山岸幸正・江端弘樹・谷昌也・嶌田智・加藤亜記
検索システム構築:阿部剛史


北海道大学総合博物館標本データベース

北海道大学大学院理学院自然史科学専攻多様性生物学講座II